おもてなしを意識して常に表情に気を配り、親しまれるホテルへ【帯広天然温泉 ふく井ホテル】

小学校1年生から高校3年生まで、ずっと剣道部に所属していたという宮北さん。高校は、毎回全道大会に出場するような剣道の強豪校を選び、団体戦で全道ベスト8に入ったこともありました。人と話すのが好きで、卒業後は接客業を志し、地元大手の菓子製造販売会社に就職。販売スタッフとして6年間働いていましたが、スポーツに親しんでいたことから、体を動かす仕事に興味を持ち、スポーツジムに転職します。2年程インストラクターを勤める中で、もっと別のことも経験してみたいと感じて転職先を探し始め、目に留まったのがホテルのフロントスタッフでした。「シゴトガイドなどのウェブサイトでふく井ホテルの求人を見て、未経験の仕事に挑戦したいと思い、面接を受けました」。

接客の経験があったためか、すぐに採用が決まり、今年4月1日から働き始めました。入社前はホテルの仕事といえば、チェックインのことしか知らなかったそう。「仕事内容はシンプルなのかなと思って入社したら、予約の受け付けの他、お客様からのさまざまな問い合わせに応じたり、部屋に備品をお持ちしたり、多くの業務があって驚きました」と振り返ります。

現在は、午前11時に出勤後、当日の予約の再確認、電話やインターネットでの新規予約受付、予約リストの作成、チェックインの準備等を行い、15時ころに昼休憩。16時から退勤する20時まではチェックイン作業をメインに、予約の受付業務やお客様の要望に応じたサービスを提供しています。

予約時にお客様から伺う項目は、お名前、宿泊日数、部屋のタイプなど決まっていますが、勤め始めたころは聞き漏れもあったと言います。「伺うべき項目をすらすらと、自然に言えるようになるまで現場で練習を重ねました。お部屋の金額、チェックインの時間も忘れずにしっかりと伝えることを意識し、予約ミスを防いでいます」。もともと接客や予約販売等の仕事をしていた経験があったため、最初の3日間は緊張しましたが、4日目には慣れ、チェックイン・チェックアウトの業務を習得できたそうです。「上司や先輩が優しく教えてくれる職場環境も良かったと思います。想像していたより、早く慣れることができましたね」とほほ笑みます。

それでも初めてのホテル勤務であり、言葉遣いなど戸惑うことはなかったのでしょうか。「面接の時に、『当ホテルはご常連様や出張のお客様が多いので、かしこまった雰囲気ではなく、親しみの感じられる心地よい接客を大切にしてほしい』と言われました」と宮北さん。もちろん観光のお客様もいらっしゃるので、一人ひとりの要望を察しながら、臨機応変に接客しているとのことでした。

フロントスタッフとして、お客様がホッとできる空間を提供するため、いつも気を使っているのが「表情」だと言います。「フロントにいると、いつどこで誰が見ているか分かりません。無愛想な顔をしていれば、ホテル全体のイメージも悪くなります」と、緊張感を持って仕事に取り組む毎日です。マスクで隠れてしまうものの、お出迎えの時は100％の笑顔を意識し、謝罪する時には本当に申し訳ないという思いを込めた表情を常に心掛けています。

勤め始めて4カ月。常連のお客様から「新人さんかい？」と話し掛けられたり、ホテル近辺のお店や地域の情報を伝えた時に「いいことを聞いた」と喜んでいただいたりすることが、やりがいにつながっているそう。「お客様が不快な思いをしないことが接客の基本です。お部屋のご案内時にエレベーターのボタンを押す、重そうな荷物を運ぶなど、まずは小さなおもてなしを積み重ねていきたいです」と地道に努力する宮北さん。ホテル全体に良い印象を抱いていただけるような接客を目指し、きめ細やかなサービスを実践しています。